酒蔵案内
日本酒の製造工程
お酒は3種類に分類でき、そのうち日本酒は「醸造酒(じょうぞうしゅ)」にあたります。
分 類
醸造酒
日本酒・ビール・ワイン
蒸留酒
焼酎・泡盛・ウイスキー・ブランデー・ウォッカ・ジン・ラム
混成酒
ベルモット・リキュール・みりん・合成清酒
日本酒の特性
日本酒は“燗してよし、冷やしてよし”という世界でも珍しいお酒です。飲用温度も他の酒類と比較すると幅があり、5℃〜55℃位までと、広範囲にわたっています。
また、冬から春、夏から秋へと日本の四季の移ろいとともに生まれ、育つ酒で、日本独特の気候風土が生み出した酒です。豊かな自然の恵みと日本人の知恵の結晶が日本酒であるといえるでしょう。
日本酒は原料米製造方法などの諸条件によって、「清酒の製法品質表示基準」にある8種類に分類されます。
特定名称
使用原料
精米歩合
麹米使
用割合
香味などの要件
吟醸酒
米、米こうじ
醸造アルコール
60%以下 15%
以上
吟醸造り
固有の香味、色沢が良好
大吟醸酒
米、米こうじ
醸造アルコール
50%以下 15%
以上
吟醸造り
固有の香味、色沢が特に良好
純米酒
米、米こうじ - 15%
以上
香味、色沢が良好
純米吟醸酒
米、米こうじ 60%以下 15%
以上
吟醸造り
固有の香味、色沢が良好
純米大吟醸酒
米、米こうじ 50%以下 15%
以上
吟醸造り
固有の香味、色沢が特に良好
特別純米酒
米、米こうじ 60%以下
又は特別な
製造方法
(要説明表示)
15%
以上
香味、色沢が特に良好
本醸造酒
米、米こうじ
醸造アルコール
70%以下 15%
以上
香味、色沢が良好
特別本醸造酒
米、米こうじ
醸造アルコール
60%以下
又は特別な
製造方法
(要説明表示)
15%
以上
香味、色沢が特に良好
■醸造アルコールとは
でんぷん質物や含糖質物から醸造されたアルコールをいいます。もろみにアルコールを適量添加すると、香りが高く、「スッキリした味」となります。さらに、アルコールの添加には、清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖を防止するという効果もあります。
■精米歩合とは
白米のその玄米に対する重量の割合をいいます。精米歩合60%というときには、玄米の表層部を40%削り取ることをいいます。米の胚芽や表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが多く含まれ、これらの成分は、清酒の製造に必要な部分ですが、多すぎると清酒の香りや味を悪くしますので、米を清酒の原料として使うときは、精米によってこれらの成分を少なくした白米を使います。
■吟醸造りとは
吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有の芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます。吟醸酒は、吟醸造り専用の優良酵母、原料米の処理、発酵の管理からびん詰・出荷に至るまでの高度に完成された吟醸造り技術の開発普及により商品化が可能となったものです。
■麹米とは
米麹(白米に麹菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができるもの)の製造に使用する白米をいいます。
なお、特定名称の清酒は、麹米の使用割合(白米の重量に対する麹米の重量の割合をいいます。)が15%以上のものに限られています